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さて。
これ、なーんだ?
1900年、海綿採りのダイバーが、ギリシアのクレタ島に近い「アンティキテラ島」の水深60メートルの海底で、2000年前の沈没船をハケーン!(^^)!
その古代ギリシアの船から発見されたのが、この、歯車仕掛けらしい、「アンティキテラ島の機械(Antikythera Mechanism)」である。歯車による入力と出力の自在な変換というものは中世の時計の発明を待たねばならぬはずなのに、なぜじゃ?やっぱりこれは、ムー愛読者向けのオーパーツか(笑)。・・・と、「アンティキテラの機械」の謎に、この100年間、何人もの人々がとりつかれたのである。
『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』
ジョー・マーチャント;著 木村 博江 ;訳 文藝春秋 2009/5/14
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163714308/fareasetblog-22/ref%3Dnosim/
本書は、この機械が発見された経緯、謎が解き明かされてゆく歴史、そこに関わった人々を描く科学ノンフィクションである。翻訳がイケテないせいか、やや冗漫な印象の前半。情報が過剰すぎて、博物学系ヲタなわしでも少々辟易・・・。ファインマンさんがマンハッタン計画に携わった際、唯一サングラスをかけずに爆発実験を見た・・・とか、いらん情報やろ・・・。などと思っていたら、ファインマンさんまでもがこの「アンティキテラの機械」に魅せられかけた一人だということがわかってびっくり。・・・で。本書がその真の実力(?)をみせてくれるのは後半部。「アンティキテラの機械」に魅せられた人々の熾烈な競争、友情、裏切り。あまりに面白すぎて、泣いている双子をほっぽって、思わず明け方まで読みふけってしまった。ごめんよ、ちびっこ達~。
見つかった部品たち。
本書の実質上の主人公ともいえる、執念の博物館員、マイケル・ライト氏が自作モデルを披露している動画。
http://www.youtube.com/watch?v=4eUibFQKJqI
★「ネイチャー誌」が最近作ったアンティキテラについての動画。英語がわかる方は是非是非是非是非!
Antikythera Mechanism Part 1: by Nature Video
http://www.youtube.com/watch?v=DiQSHiAYt98
Antikythera Mechanism Part 2: by Nature Video
http://www.youtube.com/watch?v=znM0-arQvHc
★【「アンティキティラの歯車」は技術史上の驚異、ネイチャー誌に論文が掲載】
2006/12/1 08:29 UTC
http://www.technobahn.com/news/200612010829
紀元前の古代ギリシャの沈没船から発見された「アンティキティラの歯車(Antikythera
Mechanism)」と呼ばれる機械式の天球儀を最新の3次元X線スキャナで解析した結果、その天球儀で使われた技術はその後、1000年間に渡って見出すことはできない、非常に高度な技術力で作られていることが判明した。
★【「アンティキティラの歯車」は五輪の開催年を告げる機械だった】2008/7/31 16:47 UTC
http://www.technobahn.com/news/200807311647
国際研究グループの調査により紀元前の古代ギリシャの沈没船から発見された「アンティキティラの歯車」と呼ばれる機械式の天球儀は、古代ギリシャで4年に1度開催されていた古代オリンピックの開催年を知らせるための機械であることが30日、英科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文により明らかとなった。
★研究グループのHP
http://www.antikythera-mechanism.gr/
★本書を知るきっかけとなったブログ。ほぼ日参してしまうくらい大好きなページ。
【極東ブログ】
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/05/post-ca7f.html
『科学は不確かだ!』
R・P・ファインマン ;著 大貫昌子 ;訳 (岩波現代文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%81%AF%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E3%81%8B%E3%81%A0-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BBP-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4006031467/ref=pd_cp_b_1
20世紀を代表するノーベル賞も受賞した天才物理学者リチャード・ファイマン氏が「ファインマンさん」と呼び親しまれているのは、大貫氏の名訳名文ファインマンさんシリーズのおかげだろう。『ご冗談でしょうファインマンさん』や『困りますファインマンさん』、そして『ファインマンさん最後の冒険』などで、その絵画・音楽や何でもたしなむ並はずれた才能や、子どものような純粋さや、軟派なところや、いたずら好きで好奇心の塊だったことが知られるファインマンさんは、誰でもその魅力に惹きつけられるとっても素敵な人物。ファインマンさんシリーズはどれもこれも名作名著なので、文系理系を問わず世の中すべての方に読んでもらいたい。(そういえば昔、人に読ませまくった記憶も・・・。また読み返したくなってきた!)
本書はそんな、我らがファインマンさんの講演集。この講演は、ノーベル賞受賞の2年前、44歳のファインマンさんが1963年にワシントン州立大学で三夜に渡って行われたもので、それぞれ「科学の不確かさ」「価値の不確かさ」「この非科学的時代」というタイトルがつけられている。科学の美しさについて熱く語り、すべてのものの価値基準を疑うことが科学の進歩につながると解き、えせ科学に憤慨する。科学・宗教・政治・UFO・テレパシーにまで広がる話題の楽しいこと!ファインマンさんの存命中にお会いしたかった・・・。
・・・・ファインマンさんはカリフォルニア工科大学の教授をしており、私の家はこの大学の目の前なのだ!もちろん大学のブックストアにはファインマンさんの特集コーナーもある。(カリフォルニア工科大学は学部学生が一学年に200人しかいない小さな大学だが、ノーベル賞学者をこれまでに30人も出している。)
ファインマンさん万歳。
『魔法使いハウルと火の悪魔』 『アブダラと空飛ぶ絨毯』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ;著 西村醇子;訳 徳間書店
今更だが「ハウルの動く城」の原作本、『魔法使いハウルと火の悪魔』。もちろんハウルの声はキムタクに脳内変換。宮崎映画は苦手なのだが(といいつつ全部見てるし、歌もほとんどソラで歌える・・・)、ハウルは好きだ。おかっぱで軟派な美青年というというところがたまらん。しかしヒロインのソフィーの元の姿と声が納得いかんのじゃ。なんであんなに可愛くないんだろう。。。老婆は倍賞千恵子でもよいが、少女姿の時はもっと可愛らしい声がいいなあ・・・・・・・・・・などというのはさておき、やっぱり映画でのソフィーの扱いが酷い・・・・と分かった一冊だった。宮崎駿という人は、ヨウジョは描けても、「リアル」な思春期の少女は描けないんじゃなかろうか?この原作でテーマとなっている、理想と現実の間で揺れるソフィーの心の変化と成長が、映画ではいまいち伝わってこんかった。仕方ないか。
で、この原作。老婆姿のソフィーが実は少女であり、美青年で超人的なハウルが実は人格的に問題を抱えている・・・だけでなく、「作中に、はじめの見かけどおりのものは何一つない」のが面白い。続編『アブダラと空飛ぶ絨毯』もその流れで読んだのだが、どちらも伏線&どんでん返しがたっぷり!良質の児童文学でゴザイマシタ。
ま、アマゾンでもいろんな人が感想を書いているし、その枠を超える感想は特にないので、これにてレビューは終了~。
・・・授乳の合間の読書にも慣れてきた☆
『子宮の中のエイリアン~母と子の関係はどう進化してきたか~』
エレイン・モーガン;著 望月弘子;訳 どうぶつ社
http://www.amazon.co.jp/%E5%AD%90%E5%AE%AE%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E2%80%95%E6%AF%8D%E3%81%A8%E5%AD%90%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E9%80%B2%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%8B-%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3/dp/4886223052
あれは2009年、今年の初め頃だったか。妊娠中のリア・ディゾンがインタビューで「おなかの中にエイリアンがいる感じ」と答えておりその時はふーんとしか思わなかったものだが、いざ自分の腹が膨らみ胎動を感じ始めるとなるほど確かにその表現はうまく的をついたいいコピーだと納得した記憶がある。妊娠して母性本能が芽生える・・・わけでもなく、自分の行動が胎児によって制限されることが解せないまま、不思議な「何か」に「寄生」されているという状態の時に出会ったのが本書、『子宮の中のエイリアン』。このエキセントリックというか過剰気味でヤバいタイトルからしてとんでも系かとニヨニヨして注文したのだが(おまけにこの作者、水生類人猿説という、わしの知らん新説を唱えている人らしいし)、原書タイトルはThe Descent of the Child: Human Evolution From a New Perspective 。直訳すれば「子どもの由来~新しい観点から見たヒトの進化~」・・・かな。邦題違いすぎ! ・・・ってまあそれなりにちゃんとした学術本(笑)。
あ。
アクア説(水生類人猿説)って何じゃ?・・・な方は、このページをどぞ。
http://miraikoro.3.pro.tok2.com/study/mekarauroko/jinruihadokodetannjousitaka02.htm
さて本書、『子宮の中のエイリアン』。
妊娠当時、自分の母性愛の芽生えなさに少なからず後ろめたさを感じていた私にはうってつけの、圧倒的な面白さ!母性愛などという胡散臭い心理学(爆)は捨て去り、人間の誕生過程を人類学、生理学、生物学的見地から見事に解き明かしてくれるのだ。
なぜ人間は未成熟なままで生まれてくるのか?なぜ人間は卵のまま産まないのか?なぜ人間は有袋類に進化しなかったのか?モーガン氏いわく、これは自然界ではリスキーな状態だが、できるだけ脳を発達させるような進化を続けた結果なのだそうな。「人間の赤ん坊は自分自身の都合から脳を大きくし、体も大きくなった。そのままでは妊娠中の母体の負担が大きすぎるしお産も大変だから、母親は、まだ未熟な段階で赤ん坊を産み落とすことにした。だがそれでは赤ん坊が困るので・・・」という母子双方のせめぎあいこそが人類進化の道筋らしい。
邦題に「エイリアン」とあるように、胎児が意志を持っているかのように母親に寄生して進化してきた様子が面白い。そういった真正の「他者」である子と母の葛藤が胎児の間だけでなく誕生後も続くのだ!!そして「はじめに」で説明書きがあるとおり、本書は進化学から始まり、歴史、経済、フェミニズム、中絶、核家族・・・といった社会学にまで触れられている。
ちなみになぜ人間は、他の哺乳類のように全身毛むくじゃらではないのか?実は受精後二十週ごろには頭も顔も手足も「毳毛」と呼ばれる毛で覆われるのだが、その後胎児の間にその毛を脱ぎ捨てて(?)いるらしい。知らんかったー。
・・・などと理論武装(?)してコワゴワ臨んだ産後の双子育児生活であるが、何もかもが新鮮で、予想を超えて愉快だ!ちびっちゃい生き物がウニョウニョ啼いている(>低体重児だからか声もまだ可愛い)姿はなんとも言えん。母性本能やら母性愛ってのが何なのか未だによくわからんが、全身で泣いて一生懸命に乳を吸う姿は愛しいもんじゃのう。
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